黒十字、邪悪なり
「血を見なきゃよく眠れなくてな」

邪悪はニヤリと笑う。

「こうしてお前みたいな獲物を見つけちゃあ、野兎よろしく追い回して、血反吐ぶちまけるまで撃って撃って撃ち殺してやるのさ」

「ひ、人殺し!」

これから殺されてしまう。

その恐怖と無念と悔しさから、少女は邪悪を罵倒する。

「それは違うな」

少女の言葉に良心の呵責を感じる事もなく、邪悪は言った。

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