黒十字、邪悪なり
「貴様に致命傷を負わされ、あまつさえ砲火の中に叩き込まれ、俺は再起不能なほどの傷を負わされた」

「何が再起不能だ」

完全に腹の傷を再生させ、邪悪は嗤う。

「ならばここで俺と対峙する貴様は何だ?亡霊か?死に切れず迷い出た幽霊か?」

つり上げた口角を更につり上げ。

「否!」

邪悪は歓喜に震えた。

「貴様は不死者(アンデッド)!磨り潰しても焼き尽くしても刺し貫いても死に至る事なく、幾度となく甦るゴキブリの如き執念深き生命!忌まわしき、生を捻じ曲げる者!」

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