黒十字、邪悪なり
「俺が肉体を再生している間に、貴様が殺しを愉しんでいたのかと思うと、羨ましくてしょうがない!貴様が奪った命は、本来俺が屠るべき命だったものを!俺が殺し、俺がアンデッドにし、俺の眷属となるべき命だったものを!」

その言葉に、命を奪う事に対する悔恨も罪悪も反省も、微塵もない。

化け物に相応しい、狂った、狂気を隠す事なく露呈させる発言だった。

それに対し。

「呑気に半世紀も寝ている貴様がノロマだっただけの事」

邪悪もまた、寸毫ほどの後悔を見せる事もなく、二挺拳銃を向けて立ち上がる。

「化け物はいつだって殺した者勝ちだ。不死の王ともあろうものが、寝惚けて忘れたかベナル?」

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