黒十字、邪悪なり
「現代の日本で、自動小銃やライフルで発砲する事自体がギリギリのラインなんだ。お上の連中は頭が固い上に危機感がないからな。個人携帯対戦車弾でも何でも使って、化け物を早急に駆逐しなければならんというのに」

自分の保身ばかりを気にして、事の重大さや優先順位が理解できていない。

この国の政府はいつだってそうだ。

溜息をつく対策局長に対し。

「…『ライフル』ならばいいんですね?」

セシルは念を押すように問い掛ける。

「ライフルならば、許可を頂けますね?」

「…何を考えている?」

対策局長はセシルの顔を見る。

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