黒十字、邪悪なり
対策局長は顔を上げる。

「改良だと?」

「…私が相手するのは戦車ではなく、化け物です。黒十字 邪悪という人外です。それに見合うだけの威力が必要ですので」

具体的には、20ミリ徹甲弾よりも更に強力な30ミリ口径弾を使用できるようにしたいというものだった。

30ミリ口径弾といえば、一般的には機関砲に使用されるものだ。

『弾丸』とは呼ばず『砲弾』と呼ぶ。

それを発射する火器も、最早『ライフル』ではなく『砲(カノン)』だ。

ただ弾薬を強力にすればいいというものではない。

それに見合った強度を持たせる為、自然と銃自体も重量が増す。

只でさえ45キロもあるゾロターンが、一体何キロになるのか。

セシル自身よりも重くなるに違いない。

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