黒十字、邪悪なり
右手の白銀の拳銃を、少女の生臭い口の中に捻じ込む邪悪。

「世迷い出やがって。あの世へ帰りやがれ」

トリガーを引くと、まるで爆弾のように弾丸が炸裂し、ゾンビと化した少女の頭が爆ぜた。

それでも構う事なく、邪悪はトリガーを引き絞る。

何度も何度も引き絞る。

5回、6回、7回、8回、9回。

一体この拳銃には、何発弾丸が入っているのか。

弾切れを知る事なく、白銀の拳銃は少女の屍の肉体が只の肉片になるまで、何度も何度も撃ち続ける。

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