恋の治療は腕の中で
「お前、中田のヤツにクスリ盛られてそれで意識が無くなったんだよ。」


えっ!?

「でも、なんで私がここにいるって分かったの?」

「お前から連絡なかったからその……心配になって携帯のGPSで探したらここを示したんだ。それで来てみたら丁度お前たちがエレベーターに乗り込む所で、紗和の様子が変だったから慌てて後を追ったらこの部屋に連れ込む所だったっって訳。」


「何で中田くん私にクスリなんて飲ませたんだろう?」

「お前さー。どこまでお人好しな訳。男がクスリ盛った女を部屋に連れ込むってことはそう言うこどだろ?」

うそっ、中田くんが?

「だって、相談があるって。」

「で、何だったの相談って?」


「えっ、そう言えば聞いてない。」


はぁー、

「だろ?始めからこれが目的だったんだよ。」

未だに信じられない。でももし悠文が来てくれなかったら私は……。

急に怖くなって体が小刻みに震える。

「もう大丈夫だ。何も心配ない。」

悠文は私を抱き締めてくれた。まるで全ての事から私を守ってくれるように。

「悠文!」

私は悠文に思いっきり強く抱き返した。
すると今度は悠文も同じように私を強く抱き締めてくれた。

「紗和、愛してる。


お前に何かあったらと思うといてもたってもいられなくなった。

こんなに余裕がなくなるなんて自分でも信じられない。」


悠文、嬉しい。


「私も悠文のこと愛してる。」


私が少し落ち着くと



「あー、腹減った。

俺ルームサービス頼むけどお前は?」


クスッ

悠文はわざと大袈裟に言いながらメニューを見る。
きっと私の気を紛らわしてくれてるんだね。


「わたし……。」

思い出した!

「ニューヨークチーズケーキ!」


まだ途中だったんだよね。







< 102 / 163 >

この作品をシェア

pagetop