恋の治療は腕の中で

「皆、本当に今日はありがとう。」


「まだ、終わりじゃないですよ。」


そう言って心奈は私に包みを渡してきた。

綺麗に包装されリボンもかけられたその包みを手にしてしばし呆然とする私に、


「紗和さん誕生日プレゼントですよ。」

えっ？

次に瑞季が、


「紗和、おめでとう。」


瑞季まで私に綺麗に包装された小さな箱を手渡した。


「さあ、開けてください。」


「う、うん。」

心奈に言われるがまま私はまず心奈のプレゼントを開ける。

中にはキャメル色の手袋が入っていた。


「ステキ！」


「良かった。」

心奈がほっと胸を撫で下ろす。

「凄くステキだよ。


ありがとう。大切に使わせてもらうね。」


次は瑞季の包みを開ける。


そこには、ホワイトゴールドに透明なスワロフスキーが付いたピアスが入っていた。

「可愛い。」


「どう？」


瑞季が心配そうに私に話しかけてきた。

私はそのピアスを手に取り耳に当てる。

「瑞季、どう似合ってる？」


「ぷっ、私が聞いてるのに。

うん。紗和に凄く似合ってるよ。」


悠文の方を見ると笑顔で頷いてくれた。


「ありがとう。瑞季。

凄く嬉しい。」