恋の治療は腕の中で
「いつまでニヤニヤしてるんだ?」


私は嬉しさの余り指輪を角度を変えながら何度もライトに当てて見とれていた。


「だって。信じられないんだもん。

悠文にまさか指輪を貰えるなんて。」


もう一度その指輪を見ると……

ん? この指輪何処かで見たことあるような……。


あ~~!

「悠文!こ、これって!」


「やっと気づいたか。

おせーよ。」


だ、だって。

「あの、指輪だよね?」

「あ~。」

前に瑞季達と見ていた雑誌に載ってたあの指輪だったのだ。

そう、私が一目見て釘付けになった指輪。でも何で?

「紗和。何で俺が知ってるか不思議って顔してるぞ。」

えっ、思わず顔に手を当てた。

「まっ、大成功だったかな?」


……何が?

「紗和から言っといてくれ、山本達に。ありがとう。おかげて上手くいったってな。」


えー!?

だから瑞季が普段絶対手にしないような雑誌を見てたんだ。

うん。瑞季達には感謝してもし足りないくらいだよ。


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