恋の治療は腕の中で
「紗和!

大丈夫か。」


悠文!

私はここが職場なのも気にせず悠文に抱きついていた。


「あれからまだ連絡は入ってないのか?」

「うん。なんにも。」


「あまり無責任な事は言えないけど、きっと医院長なら大丈夫だ。」


悠文に言われるとなんだか大丈夫な気がしてくるから不思議。


「藤堂先生。

すみません。」


「いや、悪かったな。紗和のこと。」


「親友なら当然です。」

「藤堂先生。どうしましょう~。」

「あ~。樋口くん。とりあえず医院長の患者さんは俺がフォローするよ。そんなにいないだろうから。」

「はい。午前中は、4人です。

ただ、もしその患者さんが医院長以外の先生は嫌だとおっしゃったらどうしましょう。次のアポとれないじゃないですか。」


「あ~。そうだな。

今はまだ医院長の状態が分からないのに余計な事は言わない方がいいだろうな。

その時は俺に声をかけてくれ。何とか納得して診察できるようするから。」


「はい。分かりました。」

「医院長のアシは誰だっけ?」


「わ、わたしです。」

確か俺が入ったばかりの時色々質問してきた子だったな。

まっ、仕方ないな。


「君は今日俺のアシについてくれ。
とりあえず午前中だけな。」


「えっ、は、はい。わかりました。」

「さ、望月さんは、聖路加に電話してもし医院長に会えるようなら行ってこい。」




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