恋の治療は腕の中で

食事をしながら麗香さんが話し始めた。


「悠文さんから聞いてると思うのだけど、私達婚約していたのよ。」


「はい、聞きました。


麗香さん一度病院の方にいらしたことありますよね？あの時一緒に居たの私なんです。」


少し驚いた麗香さんだったけど、

「あの時は、本当にごめんなさいね。嫌な思いさせてしまったわね。」


「はい。 あっスミマセン。

あの時は確かにビックリしましたけど、ちゃんと藤堂先生に聞きましたから。今はもう何とも思ってません。」

「そう。なら良かった。

紗和さん、藤堂先生だなんて本当は何て呼んでらっしゃるの？」


この人達はどこまで悠文と私のこと知ってるんだろう？
私がちょっと答えに躊躇していると、

「君は悠文と一緒に暮らしてるんじゃないのか？」


そうですけど、そんなストレートに……。

「隆文さんたら、そんなにハッキリおっしゃらなくても。」


「し、失礼した。」


うわー、隆文さん顔赤くなってますけど。

「いえ、そこまで知ってるんでしたら、隠す必要ないですよね。

藤堂先生いえ、悠文とは一緒に住んでます。」

「あの、悠文さんがね～。

ごめんなさいね。わたくしずっと彼を見てきましたからまさか女性と一緒に暮らしてるなんて未だに信じられなくて。」