恋の治療は腕の中で
エピローグ
1か月後、桜が満開に咲き誇りぽかぽかと日差しが暖かなある晴れた日
隆文さんと麗香さんの結婚式が行われた。
グランドハイアット東京の親族控え室におそれながら私も悠文と一緒にいる。
私達は、隆文さんと麗香さんの所に行き、
「隆文さん、麗香さんおめでとうございます。」
悠文は恥ずかしそうに頭を下げた。
「紗和さん。ありがとう。
私達とこうして悠文さんも一緒にこの日を迎えられるのもすべて貴女のおかげだわ。」
そう言って麗香さんは、ハンカチで目頭を押さえる。
「麗香さん、私は何もしてないですよ。
ほらっ、泣いたらダメですよ。折角の美人が台無しになっちゃいます。」
「まあーあれだ、少しくらい泣いても麗香の美しさは変わらないけどな。」
隆文さんって麗香さんの事になるとのろけたセリフも平気でいえちゃうのよね。
「隆文さんたらっ。」
麗香さんはとびっきりの笑顔を隆文さんに向ける。
そしてそれに答えるように隆文さんも麗香さんに微笑み返す。
あー、本当にこの二人が結ばれて良かった。と改めて思う。
教会でのお式も終わり最後に両家の顔合わせと紹介が行われる。
私が席を立とうとしたら、悠文に腕を捕まれる。
「私まだ家族じゃないし、お義父さんに迷惑かけちゃうよ。」
私がそう言っても悠文は腕を離してくれない。そうこうしていると親族紹介に入ってしまった。
私は仕方なくその場に俯いたまま紹介が終わるのを待った。
徐々に悠文の紹介へと近付いていくとそれに合わせて私の心臓がドクドクと早く打つようになる。
「では、こちらが私の次男の悠文です。」
うわー、早く終わって~!
「悠文です。
どうぞよろしくお願いします。」
てっきり次は新婦側の紹介に移ると思っていたのにお義父さんは、
「それで、こちらが息子悠文の婚約者で麗香さんと同じく私の娘になる紗和さんです。」
へっ?
わたし…?
「ほらっ、紗和呼ばれたぞ。」
私は悠文に言われて慌てて席を立ちながら
「望月 紗和です。
よろしくお願いいたします。」
お義父さんが私を娘になるって言ってくれたのは凄く嬉しかったけど、悠文一言言ってくれたら良かったのに、もー意地悪。
無事に親族紹介も終わり披露宴会場に移動する間私達にお義父さんが話しかけてきた。
「紗和さん。
そのーなんと言うか………、娘と言ったこと迷惑じゃなかったかな?」
えっ?
私が固まっていると。
悠文が肘で私の脇を軽くつつきながら、
「紗和、何固まってんだよ。」
言葉は乱暴でも笑顔は優しい悠文。
「えっ、あっ、はい。
まさか紹介してもらえるなんて思ってもみなかったので驚きましたが、娘って言ってもらえて凄く嬉しかったです。」
「そうか、それは良かった。
でも悠文には紗和さんを紹介するって言ってあったんだがな。」
やっぱり……。
私はお義父さんに見つからないように悠文を睨み付ける。
隆文さんと麗香さんの結婚式が行われた。
グランドハイアット東京の親族控え室におそれながら私も悠文と一緒にいる。
私達は、隆文さんと麗香さんの所に行き、
「隆文さん、麗香さんおめでとうございます。」
悠文は恥ずかしそうに頭を下げた。
「紗和さん。ありがとう。
私達とこうして悠文さんも一緒にこの日を迎えられるのもすべて貴女のおかげだわ。」
そう言って麗香さんは、ハンカチで目頭を押さえる。
「麗香さん、私は何もしてないですよ。
ほらっ、泣いたらダメですよ。折角の美人が台無しになっちゃいます。」
「まあーあれだ、少しくらい泣いても麗香の美しさは変わらないけどな。」
隆文さんって麗香さんの事になるとのろけたセリフも平気でいえちゃうのよね。
「隆文さんたらっ。」
麗香さんはとびっきりの笑顔を隆文さんに向ける。
そしてそれに答えるように隆文さんも麗香さんに微笑み返す。
あー、本当にこの二人が結ばれて良かった。と改めて思う。
教会でのお式も終わり最後に両家の顔合わせと紹介が行われる。
私が席を立とうとしたら、悠文に腕を捕まれる。
「私まだ家族じゃないし、お義父さんに迷惑かけちゃうよ。」
私がそう言っても悠文は腕を離してくれない。そうこうしていると親族紹介に入ってしまった。
私は仕方なくその場に俯いたまま紹介が終わるのを待った。
徐々に悠文の紹介へと近付いていくとそれに合わせて私の心臓がドクドクと早く打つようになる。
「では、こちらが私の次男の悠文です。」
うわー、早く終わって~!
「悠文です。
どうぞよろしくお願いします。」
てっきり次は新婦側の紹介に移ると思っていたのにお義父さんは、
「それで、こちらが息子悠文の婚約者で麗香さんと同じく私の娘になる紗和さんです。」
へっ?
わたし…?
「ほらっ、紗和呼ばれたぞ。」
私は悠文に言われて慌てて席を立ちながら
「望月 紗和です。
よろしくお願いいたします。」
お義父さんが私を娘になるって言ってくれたのは凄く嬉しかったけど、悠文一言言ってくれたら良かったのに、もー意地悪。
無事に親族紹介も終わり披露宴会場に移動する間私達にお義父さんが話しかけてきた。
「紗和さん。
そのーなんと言うか………、娘と言ったこと迷惑じゃなかったかな?」
えっ?
私が固まっていると。
悠文が肘で私の脇を軽くつつきながら、
「紗和、何固まってんだよ。」
言葉は乱暴でも笑顔は優しい悠文。
「えっ、あっ、はい。
まさか紹介してもらえるなんて思ってもみなかったので驚きましたが、娘って言ってもらえて凄く嬉しかったです。」
「そうか、それは良かった。
でも悠文には紗和さんを紹介するって言ってあったんだがな。」
やっぱり……。
私はお義父さんに見つからないように悠文を睨み付ける。