恋の治療は腕の中で
だいぶ酔いが回り始めると

「藤堂先生、飲んでますか!」


「確か、プライベートは聞いちゃいけないんでしたよね。」


「いや、別にそう言う訳じゃないですよ。」


「えー、そうなんですかぁー。


じゃあ、聞いちゃいますよ。」



「お手柔らかに。」

ニコッ。

何この笑顔!

私バカにされてるのかな?こうなりゃ日頃の恨みとばかりに質問ぜめにしてやる。

「先生のお年は?」


「今年で30才になります。」


「ご結婚はされてるんですか?」


「いえ、独身です。」


「じゃあ、彼女がいるとか。」


「あいにくいません。」


「何でだと思います?何か自分に欠点があるんですかね?」


「うーん。どうでしょうか?強いてあげるなら、妥協しないところですかね。」


「なるほど、我が儘ってことですか。」


「おいおい、紗和ちゃん。だいぶ酔ってるみたいだね。

藤堂先生に失礼じゃないか。」


「いえ、大丈夫です。

むしろ、面白いくらいですよ。」


「他に質問は?」


「1人暮らしですか?それともご実家から?」


「1人暮らしですよ。この歳でいつまでも実家の世話になれませんから。」


へー、以外とちゃんとしてるんだ。

「どこに住んでるんですか?」


「青山です。」


「さすがドクターですね。いい所にすんでらっしゃってます。」


あれっ?なんか日本語がおかしいような


「僕からも質問いいですか?」

はい?


「望月さんの年齢は?」


「26れす。」


「独身ですか?」


「はい」


「お付き合いなさってる方は?」


「いませんです。」


「じゃあ、今まで何人の方とお付き合いしたことあります?」


「うーん、何人れしょう?

ちょっとまってくらしゃいね。


2人れすかね。」



あれっ?なんか質問されてない?


うーん、頭痛くなってきた。


「望月さん もちづき…………」



段々意識が遠くなっていく。










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