恋の治療は腕の中で


流石藤堂医院の現医院長と製薬会社のご令嬢の披露宴。

招待客は両家合わせて500人程でまるでテレビで良く見る芸能人の披露宴みたいだった。

改めて自分が場違いな家に嫁いでいくのだと思い知らされて少し不安になる。

そんな私の気持ちを察したのか悠文が、

「紗和は俺と結婚するんだろう?それとも藤堂の家と結婚するの?」

そんなの悠文に決まってる。分かってるけど考えちゃうよ。

「それで、どっちなの?」

意地悪く聞いてくる悠文に、


「悠文と。」


クスッ


「良くできました。」


さっきの意地悪な顔から優しい顔に変わっていく。

「それに親父も言ってたろ。娘になるって。」

そうだよね。お義父さんは嫁ではなく娘って言ってくれたんだよね。


なんて喜んでたらなんと招待客には現役大臣から今人気のモデルまで恐るべし藤堂家。


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