恋の治療は腕の中で
どれくらい時間がたったんだろう。


藤堂先生は、私が落ち着くまでずっと抱きしめていてくれた。


きゅん

先生の優しさに私の胸が締め付けらる。


「もう、大丈夫です。

すみません。 迷惑をおかけしてしまって。」


そっと身体を離しながら

「別に迷惑だなんて思ってないから。」



その言葉が本心に聞こえる。

だってその声が普段の意地悪で冷たい声ではなく余りにも優しい声だったから。




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