恋の治療は腕の中で
「あのー、悠文はこの時間に家をでたら病院に早く着きすぎるんじゃない？」


ドクターは、掃除をしないため私達より1時間程遅れて来る。


「今日は、レセプト処理をするためとか適当に言うから大丈夫さ。」


「そのー、私達のこと他の人には？」


「うーん。医院長には、話したほうがいいだろうな。

俺が昼休み外に連れ出して話しをしておくよ。」


「直ぐにじゃなくていいんだけど、瑞季と心奈には本当のこと話してもいい？」


「それは、紗和に任せるよ。」


本当のことねぇ～。でも、何が本当なのか自分でもよくわからない。

火事でしばらく悠文の家にお世話になるのは本当だけど、婚約者なのは本当のことなのかな？

だって、好きって言われた訳じゃないしもしかして医院長に言われて仕方なくかもしれないし……。


そんな事を考えると温かくなった私の心に冷たい風が吹き抜ける。



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