恋の治療は腕の中で
はぁー、結局帰ってきちゃった。
1日でも早くアパート探そう!


玄関の扉を開けたけどやっぱり悠文が帰ってきた様子はなかった。

なんだか私だけじゃなくマンションも悠文に捨てられちゃったみたい。


相変わらず食欲のない私はお風呂に入ってアパート探しをしようと用紙を持ってリビングに行こうとしたら急に体がグラグラ揺れて目の前が真っ暗に……。

そのまま意識を無くしてしまった。




「……わ! さわ! 紗和!」


ん?誰か呼んでる?

そんな訳ないよ。だって私は1人なんだから。


「紗和!大丈夫か?」



目を開けると目の前に悠文の顔が。夢?

私ったらとうとう悠文の幻覚まで見てるの?


「おい、紗和。しっかりしろ。」


へっ?

「気がついたか。

お前リビングで倒れてたんだぞ。」


倒れてた? …………。

そうだ、私不動産屋さんからもらったプリント見ようとしてリビングに入ってそれから目の前が真っ暗になって…………。



あっ、プリント!

私が慌ててプリントを探してると

「これのことか?」

ヒラヒラ

悠文が持ってるそれはまさしく私のです。


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