恋の治療は腕の中で
「は、話します。

実は、この前悠文が歯科大の友達と飲みに行った日瑞季と心奈と……それと中田くんも 飲みに行ったの。

そ、それだけだよ。」

中田くんが私にキスしたことは絶対言わないほうがいいよね。

「ふーん。それだけねぇー。

何処のお店行ったの?確かこの前は居酒屋だっていってたけど、まさかこの期に及んで居酒屋とか言わないよな?」


もー、分かってるくせに、絶対わざとだ。


「ごめんなさい。

本当は陵介さんのお店にいきました。」


ふーっ。

悠文はため息をつきながら。

「何で最初に言ってくれなかったんだ。

俺ってそんなに信用ない?」


「違うよ!私が悠文との約束破ったから言えないでいただけ。

本当にごめんなさい。」

こんな嫌な思いするくらいならはなから嘘なんてつかなきゃよかった。

なんか泣きそう。


ギュッ

「ごめん。別に紗和を責めるつもりじゃないんだ。
でももう嘘や隠し事はしないで欲しい。」

「うん。ごめんなさい。」



「もう泣きそうな顔するな。

頼む。紗和に泣かれると俺動揺して診察に支障きたすから。」


悠文ったら、これってもしかして焼きもち?

悠文には悪いけど何だかちょっと嬉しいかも。


「お詫びは、帰ってからたっぷりしてもらうからな。」

前言撤回悠文が焼きもち焼くなんてあり得ない。






< 95 / 163 >

この作品をシェア

pagetop