蒼天の絆~夜空の琥珀2~
アレでもセラってすっげーいいヤツだから、変な目で見んなよ!
そう郁人に釘を刺された。
なんだか嬉しい。
そんな言葉が聞けたのは何年ぶりだろう。
彼が誰かに懐くのは、母や兄、そして自分以外になかったから。
「私ではあまりみなさんにお構いできないので、楽しそうで何よりです」
「何を言うんですか。先生はいつも来てくれるじゃありませんか」
「そうですよ。お忙しいのに、迷惑かけてるのはこっちなんですから……」
「気にしないでくださいフデさん、 ミエさん。好きでやっていることですから」
「でもそうやってアタシたちに構うから、先生は自分の生活に気が回せないでしょ」
ハナ言葉に、何だか怒られているような気分になる。
30も半ばを過ぎた男が、1人で一体何をしとるのかと。