蒼天の絆~夜空の琥珀2~
「どっちも親だ。病弱なおふくろと経済力のある親父。選べと言われたら悩むまでもないだろ。どうせなら郁人もついてくればよかったんだ。
だがアイツはそうしなかっただろ。わざわざ残って、最後には家出までして、アイツがおふくろの死期を早めた。違うか?」
「……それはっ!」
「郁人もそうだろう。俺と親父がおふくろを捨てたと考えているな? とんだ勘違いだな」
あざけるように笑い……ふと興味を失くしたかのように顔を逸らす。
「捨てられたのは、俺たち子供のほうだ」
出て行った親父が悪い。
帰ってきた親父を、受け入れなかったおふくろも悪い。
彼はそう言っている。
……それは。