蒼天の絆~夜空の琥珀2~
「それは違う! 少し離れて暮らしたからって簡単に関係ないって言えるほど、家族って弱いもの?
じゃあ私の家はどうなるのよ! お父さんのせいでしょっちゅうお母さんが出て行っちゃうけど、時間が経ったらちゃんと戻ってきてくれるの!
それは、家族の強い絆があるからなのよ!」
うろたえたように、城ヶ崎が息を呑む。
「郁人くんが言ってた。『兄貴なら、おふくろのことを理解してくれる』って。
お母さんが苦労していたのを一緒に見てきたから、心配してくれるって考えたんだと思う。そのくらい優しいお兄さんなんだって、心の底で感じてたんだと思う!
私は郁人くんが正しいと思うわ! 口では何だかんだ言っても、私が困ってたら助けてくれたもの!
家族に優しくできない人が、どうして他人に優しくできるの!?」
「……黙れ」