蒼天の絆~夜空の琥珀2~
 
 白熱した気温も、ドスのきいた声が響いただけで2、3度降下する。

 電話の向こうでわざとらしい咳払いが聞こえた。



《まぁアレだな。色々あってちょっくら面倒見なきゃいけなくなって……》


「だからその『色々』の部分を言いなさいって言ってるの!」


《セ、セラ、母さんみたくなっとる。落ち着くんだ。

 ……スマホは川ん中だし、こっちも突然だったから。詳しいことは速達で送った手紙に書いてあるはずだ》


「それらしきものは影も形もございませんが!」


《なら、宅配業者がシンガポールらへんで海賊に襲われたのかも……》


「そんな映画みたいなことがあるかッ!」
 
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