蒼天の絆~夜空の琥珀2~
 
「もしもし、私です。歩美ちゃん? ごめんね、まだ寝ていたところだったでしょう。

 たぶん聞いていると思うけど、少し困ったことになってね。そう、郁人くんが倒れて。

 せっかく頑張ってくれているみたいなのに悪いね。……あの男から、何もされていないかい?」



 問うと、何とも威勢のいい言葉が返ってきた。



「君を信じていないわけじゃないよ。ただ、囮まがいのことをさせてしまったのが申し訳なくて」



 それについては大丈夫! と彼女らしい返答があり、ひとしきり笑った後、声のトーンを落とす。



「――2人で決めたことだ。絶対にあの男の化けの皮を剥がす」



 もちろん、と返ってきた言葉に目眩がしたのは、疲れか。


 そうでなければさすが歩美ちゃんだと、改めて感服する。
 
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