蒼天の絆~夜空の琥珀2~
「最近まで入院してたんだけど、同僚が復帰祝いにこんな重いものばかりくれて。その辺は適当なんだから……あ、ここです」
男性にならって足を止めると、目の前にちいさいけれども立派な造りのお家が。
「一戸建てですか。お若いのにすごいですね!」
「子供がいるから、ちょっと頑張ってみたんです。あ、もういいですよ」
ケガを刺激しないように、そっと荷物を渡す。
ありがとう、と呟いた男性は、それから申し訳なさそうな表情をした。
「ずいぶんと遅くなってしまったけど、大丈夫?」
確かに暗くなって風も冷たいし、なんかもう肝試しにこの上なく最適な感じ。
でも、本音を言ったところで心配をさせるだけなので、「お気になさらず」と笑って失礼させてもらうことにした。