蒼天の絆~夜空の琥珀2~
▼朗報:セラside
目的地に着いて早々、私は震え上がってしまった。
なぜなら、そこにお住まいの方に文字通り吠え立てられてしまったから。
「ギャンギャンッ!」
「ひっ!」
「セラちゃん、そんなに怖がらなくても平気。小型犬だよ」
「……本当に?」
「うん。トイプードルだし」
それは安心していいのか、悪いのか。
だってトイプードルって……。
「グルルル……」
「若葉くん、めっちゃ睨んでます。怖いです」
「うーん……」
少し腕組みをした若葉くんは、その子に近付いて行って……。
「何をそんなに警戒しているの? 怖い顔をして、君も困った子だね……」
「――!!!」
犬に話しかけた!?
しかもなぜか色気駄々漏れ!