蒼天の絆~夜空の琥珀2~
「ちょっとあなた、郁人くんに何てことしてるんですかっ!」
目を見開く。
近づくふたつの影。
そのうちのひとつ。
夕暮れの光に煌いた金髪。波を打つような長い髪。
男とは正反対の、澄み切った空のような瞳で自分を見る少女は。
「セ……ラ……」
強張った身体の力が、抜ける。
「郁人? このガキ、霧島郁人か。コイツを痛めつけると面倒なことになるな。……仕方ねぇ」
ふっと、首を絞めていたものが外れる。
「郁人くんっ!?」
セラに支えられながら、見た。
自分たちには目もくれず、立ち去る男の姿を。