蒼天の絆~夜空の琥珀2~
▼目覚め:隼斗side
埃っぽい蔵に放り込まれて、どのくらい経ったのだろう。
「……隼斗」
呼ばれても、顔を上げる気力がなかった。
「聞いてるの?」
カツカツと近づくのは、魔の足音。
自分を闇の中に誘おうとする……。
「起きなさい!」
頬を衝撃が襲う。
もう慣れた。
痛みも何も感じない。
次に聞こえてくるのは、あの女の、ヒステリックな叫び声だけ……。
「起きなさい隼斗! いつまで寝てるの! 目を覚ましてっ!」
「……っ」