蒼天の絆~夜空の琥珀2~
せきを切ったように紡ぎ出される言葉に、黙って耳を傾ける。
どれも心に突き刺さるくらい痛かった。
でも言葉以上に、郁人くんの辛そうな表情と、純粋過ぎる瞳が、いっそう胸を痛めさせた。
「……好きだから」
「……何?」
「人が、好きだから」
栗色の瞳が見開かれたのも束の間で、
「……おめでたいヤツ」
クシャッと栗毛を潰した郁人くんは、逃げるように薄暗い廊下の向こうへ消えて行った。