蒼天の絆~夜空の琥珀2~
「で、今日来たのはその話と、もうひとつ言いたいことがあったから」
「言いたいこと?」
「……今までの、ありがとうの気持ち」
それまでの硬い空気とは打って代わって、郁人くんの表情は穏やかだ。
「もう荷物は霧島の家に運んで、父さんも一緒に住めることになった。その前に、世話になったヤツに礼のひとつでも言わなきゃダメだと思ってな」
「そんな。私、郁人くんといて楽しかったよ」
「はは、それはよかった。でもここはきっちり。
俺の勝手な都合でいきなり押しかけた上、生意気な態度取って、ごめん。迷惑もたくさんかけたし、怖い思いもさせた。
でもセラは俺のこと見限ったりしなかった。すごく助けられたよ」