蒼天の絆~夜空の琥珀2~
特にあてもなくぼんやり歩く。
それでも、快晴の空の下、陽だまりを浴びながら歩くのはとても気持ちよかった。
ふと立ち止まる。
草花が覆い茂り、爽やかな空気が漂う場所。
そこは、あの場所に似ていた。
医大の中庭……かつて自分と彼女が大切な約束をした、あの場所に。
あそこほど広くはないけれど、見上げる空の広さは同じ。
目をつむると、記憶が蘇ってくる。
胸をいっぱいに満たすほどに、温かな記憶だ。