蒼天の絆~夜空の琥珀2~
「目が悪いわけじゃないのに、不便じゃない?」
「否定はできないな。でも、ずいぶん助けられてもいるんだよ。この眼鏡には、視力を落とす加工もされているんだ」
「視力を落とす? そう言えば、普通の人より目がよかったよね……」
「眼鏡をしていないときは、ビルの3階から地面に広げた新聞が読めるって言ったら、イメージつく?」
「そんなにいいの!?」
「ははっ……よく見えるっていうことは、それだけたくさんの情報が視覚を通して得られるってことなんだ。
色や形、動物なら動作とか。僕の場合、情報量が多すぎて処理能力が追いつかないことがある。
だからわざと視力を落として、脳への負担を軽減してるんだよ」
「なるほど……」