蒼天の絆~夜空の琥珀2~
 
「っ! ダメ!!」



 私は、渾身の思いで彼の手を止める。



「セラちゃ――」


「それはダメよ!」


「……どうして?」


「聞いて若葉くん! 今のはダメなの! うまく言えないんだけど、今のじゃダメなの!」



 これでもかというほどのダメ出し。

 とにかく全部!

 それを聞いて若葉くんが寂しそうな顔をしたけど、それもダメ!



「なんて言えばいいんだろう……私だけ受け止めるっていうのは、違う気がするんだ」



 若葉くんの気持ちを受け止めて、優しくされるままじゃダメ。



「不公平だから、私もちゃんと返したい。若葉くんと対等になりたいの」


「……わかった」



 嫌な思いをさせただろうか? 


 不安になって見上げた先には、優しげな笑みがあった。
 
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