蒼天の絆~夜空の琥珀2~
「郁人、お前こそ何をしている? 叔母から聞いたが、お前、高校に入ってからあの女に反抗するようになったんだろ。
家出をして心配させた。あの女の寿命を縮めたのは、お前なんじゃないか?」
「城ヶ崎、そんなひどいこと言わないで!」
「お前には関係ないだろうが」
「関係ならあるわ! 私は郁人くんが辛い思いをして頑張ってきたことを知ってるもの!」
「……なるほど。逃げ込み先は紅林のところか」
城ヶ崎はあごをしゃくり上げ、郁人くんを見下ろす。
「赤の他人に保護してもらっていいご身分だな。泣きごと言ってんじゃねぇぞ。お前は自分勝手な都合で、関係ないヤツを巻き込んだんだからな」
郁人くんは俯き、黙り込む。