ミオちゃんにキス!!


 私とミオちゃんが初めて会ったのは、七歳の誕生日。

この頃の私は、一年前に両親を亡くしたばかりで、精神的にかなり不安定だった。


「海外旅行中、事故に巻き込まれたんですって」

「まあ、お気の毒に」

結婚記念日に二人だけで海外旅行へ行った両親。

六歳の私はおじいちゃんの家でいい子に待っていた。


「誰が引き取るの?うちは無理よ。子供が二人いるし」

「うちだって人数多いからねぇ」


大好きな銀髪のお姫様人形をギュッと抱きしめながら、私は大人達の会話を聞いてた。

その時――。

「リっちゃん、おじいちゃんと一緒に暮らさねぇか?」


おじいちゃんが私の手を握ってくれた。


それから、おじいちゃんと二人きりの生活が始まったけど、相変わらず私の世界は真っ暗で…。

いつも両親を探しては泣いていた。


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