ミオちゃんにキス!!
MEMORY:10/レヴァンツィカ



  ☆
    ☆


 この家のキッチンは、どうしてバスルームに近いんでしょう。

もっと遠ければ聞こえなかったのに…。


「ほらほら、ツィカくんも耳を澄ませてごらん?リっちゃんのキャッキャッウフフな可愛いボイスが聞こえ――」

「黙りなさい変態」

確かに聞こえます。

耳を澄ませなくったって、入浴中のリリカがローズとバスルーム内で戯れてる声が。

もう夜ですから、入浴するのはいいんですが…もう少し静かに入れないんでしょうか…?

リリカの高い声に反応して、さっきから身体が落ち着きません。


「あ~あ。勿体ないね、ミオちゃん。女性体のままなら君も、あの仲間に入れたのにさっ」

「アル、うるさい。マジで黙れ」

椅子に座って前屈みになったラクラミオアーラの形相が凄まじいですね。

かなりキレてます。


……ん?前屈み?

「ラクラミオアーラ、具合でも悪いんですか?」


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