ミオちゃんにキス!!
食器を洗い終えてから、僕はリリカのいる洗面所へ向かった。
「リリカ、クシ貸して」
「へ?」
「髪を結ぶんでしょ?時間ないから僕がやってあげるよ。仕方なく」
「ミオちゃん!ありがとう!」
はいはい…。
「大好き」のハグはいいから、クシ貸しなよ。
本当に遅刻するよ?
「リリカ、わかってるの?後10分以内に外出しないと、いつものバスに乗り遅れて電車も三本遅いやつに乗るはめになったあげくホームルームまで残り3分しかないのを嘆きつつ駅から校舎までダッシュするはめに――」
「いやぁー!!!!ミオちゃん、クシどうぞ!!」
そうそう。
さっさと渡してれば良かったんだよ。
まあ、リリカのハグは嫌いじゃないけどね。
「今日は体育があるから髪をまとめたいの」
「伸びてきたしね。切らないの?」
「どうしよっかな。考え中」