ミオちゃんにキス!!
最近リリカの髪は長くなってきた。
肩下まである髪をとかしながら、とりあえず確認。
「ポニーテールでいい?」
「うん。お任せします」
「よし。じゃあ下向いて」
「ん」
つくづく思う。
僕って優秀なロボットだよね。
持ち主を叩き起こして、ご飯を作ってあげたり髪を結んであげたり…。
この後は家の掃除に洗濯。
リリカの心を癒すために造られた僕が、今じゃ家事専用ロボットになりつつある。
まあ…いいんだけどさ。
これも全部リリカのためになるなら。
リリカが、笑顔になるなら――。
「はい、できた」
「わあ!ありがと!ミオちゃん大好き!」
「知ってる。それから、僕をミオちゃんて呼ぶのやめ――」
「あっ!もうこんな時間!?じゃあね、行ってきます!」
リリカは僕の話も聞かず、玄関から飛び出した。
「…………」
うん。いつも通りだ。
こうして慌ただしい朝が終わる。