ミオちゃんにキス!!

研究所の場所は知ってる。

けど、助けになんかいかないよ。

あいつらだって、自力で脱走しようと思えばできるんだ。

なのに……あいつらは、リリカのあんな下手くそな嘘を鵜呑みにしてさ。



――私は…一人でも大丈夫だから…ね?



最初は嫌がってたのに、上手く研究所の奴らに言いくるめられたリリカは、研究のため連行される僕らに「いい子」の笑顔を向けた。


嘘つき。

そんな笑顔と言葉で、この僕を騙せると思うなよ。

泣きそうな表情。

震えた声。

僕の腕を最後まで握ってた、小さな手。



インストールされていなくても理解できる。

リリカの気持ち。

自分の望み。



離れたくない。

リリカのために造られた僕。

リリカを一人残してどこへ行くというの?

リリカの傍しか、君の隣にしか僕の居場所は――存在しない。



だから僕は戻ってきたんだ。

非常用プログラムを発動させて。


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