ミオちゃんにキス!!
「ミオちゃん……」
ミオちゃんの名前を呼ぶ以外、言葉が出て来なかった。
赤いガラス玉の瞳が迫ってくる。
私を追い詰めるように。
逃がさないように――。
「僕にはね、リリカ。心があるんだよ。ロボットには感情なんてないはずなのに、自動的に作成してたリリカのファイルのおかげで“好き”って感情を認識できた。
リリカのデータ量が多過ぎて僕のメモリーはすぐに許容量を超えるんだ。
景臣が教えてくれたよ。これが僕らロボットにとっての“心”だって。
次から次に取ってしまうリリカのデータ。大量データの処理に混乱してフリーズはしょっちゅう。参っちゃうよね。“恋”を処理するのは凄く大変なんだよ。でも、絶対にデリート(消去)したくない」