ミオちゃんにキス!!


 家までの道を歩きながら、気になったことをリリカに聞いてみる。

「リリカ」

「何?」

「私って、ヘタレかしら?」

「え…?」

「さっきアルが言ってたでしょう?私がヘタレだって」


僕はヘタレなんかじゃない。

そう思ってる。

なのに…。

リリカの胸を揉んだことがないからヘタレ?

冗談じゃない。


「リリカ!」

「な、何?ミオちゃん」

「胸、揉ませて」

「は……?」

「だから、胸。揉ませて」

二度言ってあげたらリリカはバカみたいに口をポカンと開けた。


「な、何…言ってるの?ミオちゃん、大丈夫?」

「私は正常よ。大丈夫。だから胸――」

「すすすストップ!!ミオちゃん!こんな歩行者天国で何言ってんの!!」

確かに、この商店街は歩行者天国。

人があっちにも、こっちにも。


「周りの人間が気になる?なら、今夜ね」


予約を取り付けてから僕は銀のウィッグを外した。


「今は、これで許してあげる」



重ねた唇。

機能が停止する――。

けど、構わない。


リリカに伝われ――僕の“思い”。








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