続編☆やっと捕まえた
命名
坂口 優人
「優人いい名前ね。ふふふ。直人の
子供の頃に良く似てる!」
「真美ちゃんに目元にてますわ!」
「ほんと〜!」
家のお母さんや直人ママ。
弟の一馬、みんなニコニコ!
じいじは、可愛すぎてと…。
写真撮りまくり。
それも、真美と3人で!
賑やかな病室。
私は、1週間の入院を終え
無事退院した。
毎日、ママさんやお母さんのサポートもあり、真美もさみしい思いをせず
過ごせた。
一ヶ月ほどして、
「葵…。アメリカに戻らないと。
お前はどうする?まだ、日本にいた方が良いと思うだろ?」
「俺は、あっちで仕事片付けて
半年後くらいには、帰国するから。
しばらく、離れ離れだ。」
「直人…。うぇ〜ん。また、バイバイするの!!そんなの嫌〜!!」
抱きしめられ
「離れてても家族だろ!半年なんてすぐだ。だから。待ってろ!わかった?」
私は、泣き続けた。
それでも時間は過ぎてゆく。
直人は、アメリカへ行ってしまった。
あまりの落ち込み様に、みんな心配して
毎日、誰かが側に居てくれた。
直人ママのお友達に紹介されて
産後のダイエットにと通い始めた
ヨガ教室。
友達も出来て少しは元気になった。
真美は、持ち前の明るさで
新しい保育園では、アイドル並みの人気
私は、教室を終えて、カフェで
ひと休みしていた。
「葵さん?元気でしたか?」
「高井さん。その節はお世話になりました。」
「無事に出産出来ました。」
「なんでも、男の子だって。信太郎から聞きました。」
「はい…。育児が時々辛くて、それで
気分転換にと、ヨガ教室に通ってます。」
「そうなんですか。そう言えば、
旦那さん、アメリカなんですよね?」
「はい…。ポタポタ…。」
涙が流れた。
「ごめんなさい。思い出させてしまって
さみしいんですよね。俺、デリカシーないですね。」
「そんな…。泣いたりしてごめんなさい
時々、さみしいって。」
「あの、もしよかったらこれから
水族館行きません?チケット頂きまして
一緒に行ってくれる人がいないので…。
困ってました。こんな、おじさんですから。」
「高井さんは、おじさんなんかじゃないですよ。」
「高井 賢太郎です。賢って呼んで下さい。」
「賢さん…?」
「なんだか…いいですね。名前で呼ばれるって。」少し照れてる賢さん。
「ふふふ!あの〜。私、
行ってみたいです。水族館!」
「本当ですか?あのお子さん?」
「お母さんにお願いしてるので
大丈夫なんです。」
私は、嘘をついてしまった。
酷い母親なんだと思う。
だけど、
私は、さみしさを忘れるため
賢さんに誘われるまま、
遊びに行った。
子供の頃父に連れられ来た記憶。
楽しかった思い出。
「葵さん!ほら!ペンギン!」
「可愛い!」
葵さんの笑顔がヤバイくらい俺を
翻弄する。
はしゃぐ葵さん。
彼女が人のものでなかったら…。
「賢さん?疲れましたか?」
「いえ…。もうすぐ、イルカショーです
見に行きましよ!」
「キャー!水が!!きゃはは!」
「びしょ濡れですね。ハハハ!」
楽しかった。本当に久しぶりに笑った。
賢さんに送ってもらい帰宅。
優人は、お母さんが預かってくれてた。
「ただいま!」「葵!何してたの!
優人置いて!母親でしょ!しっかりしなさい!」
なんだか、イライラした。
「いいじゃない!少しは、1人になりたいの!!」バシン!
頬を叩かれた。
うずくまり、泣いた。
心が壊れそで、息をするのも辛かった。
「少しくらい…もう!嫌なの!!
一人なの!私!」
バン!とドアを閉め部屋に
引きこもってしまった。
育児を全くしなくなった。
ずっと、暗い部屋で過ごす日々に、
心配したお母さんに病院に連れて行かれた。
「育児ノイローゼですね。精神状態が
不安定なので時々は、ストレスを発散する機会を与えてあげて下さい。」
安定剤を出され帰宅した。
授乳も出来ないくらい。でなくなっていた。
私、このままおかしくなってしまうの?
直人!助けて!さみしいよ。
真面目すぎる性格の人程、
陥るらしい。
子育ては、夫婦で一緒に。
母親として、妻として、プレッシャーは
時として自身を追い詰める。
産後は、特に気をつけないといけない。
出産前、講習会で聞いていた。
でも、私は、大丈夫って思ってた。