「 恋」を叫べっ!
出会いを喜べっ!
ジリリリリリリ...

目覚まし時計の、あのうるさい音が部屋に響く。
ベッドから起き上がるのが面倒くさいので、手探りで時計を探す...が、いくら探してもない。まったく、どこにいったんだろう?

「んん〜...とーけーいとーけ.....うぃいいいいっ!!!??」

ドッテーン!!と、派手に落ちた私。
思いきりお尻を床にぶつけて、「いてて...」と縮こまる。そして、なにやらお尻に違和感。

「ああああああ時計!!嘘っ!?壊れた!?...結構お気に入りだったのに...ガックリ...」

お尻の下敷きになってしまった時計は、見た目は変わっていないものの、動く様子は全くない。完全に壊れてしまったみたいだ。
また新しいの買いに行かなきゃなあ...。

「はぁ...もう目が覚めちゃったよ...。ところで今何時なんだろう?....あ、そうだっ。ケータイ見ればいっか!」

そう思って、スマートフォンの電源を入れた私は、表示された時間に顔が真っ青になった。
時刻は...7時30分。
登校時間は...7時50分まで。


「うわぁあああああああ!?遅刻遅刻ちーこーくぅうう!!!」

「こらっ!桜!朝から何!うるさいわよ!...って、時間無いじゃないの!早く支度してパンでもくわえて学校行きなさい!」

「うわぁお母さんどうしよう入学式遅刻しちゃうよおおおおー!!」

「だからさっさとしなさいって言ってるでしょうがっ!!」

私は今までにないくらいのスピードで身支度をして、お母さんが焼いてくれたトースト口いっぱいにほおばった。

「ひっへひまふ!!!」

「ちゃんと飲み込みなさい!」

「ぷはっ、い、行ってきますっ!」


私は急いで家を飛び出した。


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