無限の青空
……木の根元に誰かいる。
此処からではよく見えないが、多分女だろう。
今は入学式の最中なのに、中庭で堂々とサボっているその女。
新入生なのか、在校生なのかは定かでない。
…まぁ、屋上で堂々とサボってる俺達が言えた義理ではないが。
でも何故か、顔をはっきり見たワケでもない、話をしたワケでもないその女に‥否、その女が纏う凛としていて、でも何処か儚さを感じさせる雰囲気に魅せられ、目が離せなかった。