無限の青空


…相変わらず、整った顔だ。

まぁ、そんな事言ったら調子に乗るから絶対言わないが。


「…何で居るの。」


「何でって、こんなでけぇ家にひとりで暮らしてる、可愛い可愛い妹の様子を見に来てやったんだろ?」


「…誰も頼んでない。」


「たっく、可愛いげのない妹だな。」


…さっきからよく喋るこの男は私の義兄、妃宮陸-ヒミヤリク-だ。


「制服似合ってんな、流石俺の妹。」

「で?何でこんな帰り遅いんだよ、男でもできたか。」


馬鹿な質問に一々返事をするのは面倒なので、無視する。


こんな奴だが、先程も言ったように見た目はかなり優れている。


ワックスで軽くセットされたブロンドの髪。
筋の通った高い鼻。
二重の目、瞳は薄い茶色だが光に当たると青く見える。


髪や瞳が日本人らしくないのは、陸がハーフだからだ。






< 92 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop