無限の青空
…相変わらず、整った顔だ。
まぁ、そんな事言ったら調子に乗るから絶対言わないが。
「…何で居るの。」
「何でって、こんなでけぇ家にひとりで暮らしてる、可愛い可愛い妹の様子を見に来てやったんだろ?」
「…誰も頼んでない。」
「たっく、可愛いげのない妹だな。」
…さっきからよく喋るこの男は私の義兄、妃宮陸-ヒミヤリク-だ。
「制服似合ってんな、流石俺の妹。」
「で?何でこんな帰り遅いんだよ、男でもできたか。」
馬鹿な質問に一々返事をするのは面倒なので、無視する。
こんな奴だが、先程も言ったように見た目はかなり優れている。
ワックスで軽くセットされたブロンドの髪。
筋の通った高い鼻。
二重の目、瞳は薄い茶色だが光に当たると青く見える。
髪や瞳が日本人らしくないのは、陸がハーフだからだ。