【短編】バスケ部の不良野郎【BL】
しばらくして、琉華は頭に包帯を巻いた状態で戻ってきて、不機嫌そうにどかっとベンチに腰掛けた。
琉華がチームから抜けた結果、琉華がいたチームは逆転負け、しかも惨敗した。
暁月はみんなが帰ったあと、自ら体育館の掃除をして、念入りにバッシュの手入れをした。
頭の中には琉華のことしかなく、ずっと申し訳なさでいっぱいだった。
暁月が掃除を終えて校門を出ると、琉華が校門のそばに寄りかかって寝ていた。
「待ってたのか…」
暁月はそう呟いて、また罪悪感が押し寄せてきた。
「…終わったのか」
いつの間に起きてたのか、琉華が口を開いた。
「ああ…部活のときの、その、すまねえ」
「別に」
「おう…」
そこから二人とも無言で帰り道を歩いた。
「じゃあな」
別れる道のところで、琉華が暁月に手を振った。
「いや、ついてくよ」
「気持ち悪い」
「心配だから」
「なんともねえっつーの」
「頭から血が出たんだからなんともなくないだろ!それに、今は平気でもあとでぶっ倒れるかもしれねえし」
「…バカザル」
琉華はそのまま暁月に背を向けて歩き出した。
暁月はその後ろを追って、数歩後ろを歩く。