【短編】バスケ部の不良野郎【BL】
「…なんともなかっただろ」
「ああ、よかった」
琉華の家の前で会話をして、琉華が門を開けて、玄関を開けようとする。
「…いつまでいるんだよ」
門の前にいる暁月の方を振り返って、琉華が聞いた。
「え?…家に入るまで、だな」
暁月は得意の無邪気な笑顔で返す。
「この天然タラシが」
「え?何?」
琉華は、頭にはてなマークを浮かべてる暁月の前に来て、閉めた門を開けた。
「入れよ」
琉華が暁月を招き入れて、暁月は緊張しながら琉華の家へお邪魔した。
琉華の部屋に通されて、数日前にも来たのに暁月の胸はやたらドキドキした。
「変な顔すんなよ」
緊張しすぎて不自然な笑顔になっている暁月に琉華が言った。
「変な顔なんてしてねえよ!」
「あんまうるさい声出すなよ、頭に響く」
琉華はわざとらしく頭を押さえて言う。
「ごめん…」
暁月が途端に声を小さくして謝った。
「やけに素直だな」
「音駒、本当に大丈夫なのか?」
「平気だって」
琉華はそう言うと、暁月の隣に座って耳元に向かって囁く。
「暁月…」
「な、なんだよ」
琉華に囁かれた暁月は顔を真っ赤にして、答えた。