【短編】バスケ部の不良野郎【BL】

「…なんともなかっただろ」

「ああ、よかった」

 琉華の家の前で会話をして、琉華が門を開けて、玄関を開けようとする。

「…いつまでいるんだよ」

 門の前にいる暁月の方を振り返って、琉華が聞いた。

「え?…家に入るまで、だな」

 暁月は得意の無邪気な笑顔で返す。

「この天然タラシが」

「え?何?」

 琉華は、頭にはてなマークを浮かべてる暁月の前に来て、閉めた門を開けた。

「入れよ」

 琉華が暁月を招き入れて、暁月は緊張しながら琉華の家へお邪魔した。

 琉華の部屋に通されて、数日前にも来たのに暁月の胸はやたらドキドキした。

「変な顔すんなよ」

 緊張しすぎて不自然な笑顔になっている暁月に琉華が言った。

「変な顔なんてしてねえよ!」

「あんまうるさい声出すなよ、頭に響く」

 琉華はわざとらしく頭を押さえて言う。

「ごめん…」

 暁月が途端に声を小さくして謝った。

「やけに素直だな」

「音駒、本当に大丈夫なのか?」

「平気だって」

 琉華はそう言うと、暁月の隣に座って耳元に向かって囁く。

「暁月…」

「な、なんだよ」

 琉華に囁かれた暁月は顔を真っ赤にして、答えた。

< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop