キライになりたい曲
あの日、2人きりの車内で、
やけに響いた私の一言。
空気が凍って、
『…ごめん』
車を路上に止めたあとに落ちた凛冬の言葉に、
帰りのことなんて考えずに車を降りた。
降りてすぐ、
言わなきゃよかったっていう後悔と、
さみしさと、むなしさと、
胸の痛さが止まらなかった。
同じ気持ちだと思ってた凛冬が、
自分以上に誰かを想ってたなんて。
でもその苦しさにまどわされて、
大好きな凛冬との関係に、
メスを入れてしまったこと。
もう会えないということが、
未だに、辛い。
ふっきれてなんかいないんだと思う。
あの日、深呼吸をして、一歩大人になれてたら、
きっとまだ、凛冬の隣にいれたのに、
咄嗟にはできないほどに、
凛冬が好きだった。