キライになりたい曲
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キミがしあわせならいいんだ
笑って過ごしているのなら、それがいいんだ
あの日言えなかったおめでとうは、
この先も言えそうにない僕だけど、
代わりに歌でも贈ろうか
ボクの好きなうた
よく口ずさんでいた、キミのうた
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凛冬が、幸せならいい。
だけどやっぱり、
一緒にしあわせになりたかった。
くしゃっとなるあの笑顔を、
私が守っていきたかったよ。
凛冬。
まるで未練をかき消すように、
スッと切った彼らの最後の音に、
瞳にためていた涙がこぼれた。
夏海が戻ってくるまえに
そんな余韻は消さなくちゃ。
そう思って下を向いたら、
砂浜を背景に、一枚のハンカチが現れた。
「……?」
「…やっぱり、秋季だ」
顔をあげると、
時間がとまった。