キライになりたい曲
本当に凛冬は、キツネに似ていて。
頭を抱えてるその隙間から、
ぴょこんと立った耳がでてきそう。
好きだなぁ。
愛しい。
ギュッとしたい。
好きだけじゃ言い表せない、この気持ち。
凛冬、こんなに想ってくれてたのに、
目を逸らしてごめんね。
声には出さず、強く思った。
「じゃ、後は2人でごゆっくり!」
「えっ?!」
「また今度ゆっくりご飯いきましょ〜」
伝票をもって手を振る夏海に続いて、
咲桜ちゃんが続く。
「まって、送る!というかお金!」
と、立ち上がろうとすると、動けない。
同時に、聴き慣れたギター音が聞こえた。