卒業~最後のラブレター~
いや‥‥、変わったのは表向きだけで中身は全く変わってなんかいない。
私は康毅に告白したこともあった。
返事はもらわなかった。
康毅には好きな人がいたから。
誰もが知っていることだったし、私だって当然知っていた。
だから忘れるために区切りをつけるために告白したのに、そんなのは無理だった。
本当は、返事をもらうのが怖かっただけなの。
ふられるのが怖かっただけなの。
「ねえ〜、康毅」
「んー?」
康毅は胸ポケットについてる
卒業おめでとう!の花飾りをいじりながら私に返事を返す。
「もしも‥‥もしもだよ。
私がまだ康毅のこと好きって言ったらどうする?」
醜い。
最後までこんな曖昧なずるい質問をするなんて。
「は?
何言ってんだよ」
康毅は、そんな驚いた顔もせず冷静に言葉を返してくる。
そうだよ、私と康毅との今の関係は
冗談を言い合う関係でしかないんだから。
私がボケて康毅がツッコミをいれる。
ずっとそうゆう関係で来たんだもん。
私が告白したころの私は、もういない。
「えへへ〜、冗談だよっ」
「知ってるわ。
明奈に告白する勇気はないからな」
「えっ、なにそれ〜。
前、私康毅に告白したことあったじゃん?」
まさか忘れたのかな。
てかもう自分の精一杯の告白さえもが話のネタになってるという悲しい現実。